13歳からの世界征服/中田考
図書館で何の本を借りようか迷っているときに見つけて手に取った本。
まず表紙がかわいい。そして作者がイスラーム法学者とのことで、物珍しいので借りてきた。
なぜ人を殺してはいけないのですか?
→殺してもいい。ただし責任をとれるのなら
もし自分に子供ができたとき、「なぜ人を殺しちゃいけないの?」と聞かれたら、こう言いたいかも。
言いがちな、「周りの人が悲しむから」だと、たとえ周りの人が悲しむことは殺人に匹敵する悪だともとらえかねないし
「命はひとつだけだから」も、じゃあ残ったおかしが一つだけだったら食べちゃいけないのかとなりかねないし(?)
たしかに法律には「人を殺してはいけない」とは書いていなかった。
書いてあるのは、「人を殺したものは~の刑に値する」と、殺した場合に課されるバツが書いてあるだけ。
なんで書いていないんだろう?!
殺人も人権のうちなのか。
著者の中田さんいわく、「あなたが神を信じていないならばやっていけないことはない」と。
価値観なんて人それぞれだし、世の中的にいいことをしても悪いことをしても人生にリスクはつきものだから。
全体的にお悩みに、「悩んでも無駄です」「じゃあ行くな」のような、人生に期待しない?回答が多い。
私が最近殺人や傷害のニュースを見て感じる諦念と少し通じるものがある感じがする。
価値観は人ぞれぞれ違うから、殺して刑務所に行く方がよっぽどいい人生を歩めると思っている人がいてもおかしくないんだよなあ、と・・
あとしびれたのは、「大人がクソばっかり」という悩みに対して、「その通り。でも君たち子どもはそのクソよりもバカで無能です」って(笑)
こういう子供の擦れた悩みに対して、子供に歩み寄る人が多かった気がするから、こういう痛烈な返事が新鮮で刺激的で笑った。
確かに、確かにそうなんだよな。
そして、大人になればどうせ君もクソになるんだから、どうせなら大人になったらできる楽しいことを思い浮かべましょうって。例えば稼いだお金を自由に使える、とか。
そして、そんなにクソばっかりなら将来そのクソたちをどうやって利用するか考えましょうって。たしかに、いいアイデアだね。
中二病の子に聞かせたい。
てかふと思った。こういう子供の大人への擦れた悩みに対して、気が付かないうちに大人目線で受け取っていることに。
うわあああ、あたりまえか、もう25歳だから。
楽しくないのに勉強をする必要はありませんが、しないと面倒なことになる。っていう消去法でやる気をだしていく考え方もいいかもと思った。
あと。赤ちゃんは自分で何もできないから周りが助けてくれるように可愛く作られている、っていうのは聞いたことあったけど、老人もそうってあって、言われてみれば確かにと思った。
でも可愛くなれない権力と金を振りかざす老人は嫌われるね。
人間、かわいければどうにかなるらしい。